インフレ抑制

インフレ抑制仕様について

ゲームを長期運営していく上で、より手強いエネミーを追加していくことになります。

とあるゲームでは、1サイクル1時間ほどのゲームプレイを通じてキャラクターを育成し、 その育成結果のキャラクターを使用して、他プレイヤーと競うゲームモードを遊べる仕様を採用していました。

キャラクターの育成パートに新しいモードを追加し、そちらで育成することでこれまでとは異なるパラメーターバランスのキャラクターを育成できるようにしました。 追加されたモードでは、5個あるパラメーターのうち1つが従来より 30% 高いキャラクターを育成できるようにしていました。

プレイヤーはこの内容をみて必死にこのモードの攻略方法を模索します。 新しいモードでの育成を効率化アイテムも追加されたため、プレイヤーはガチャでそのアイテムを入手し、新しいモードに挑みました。

やがて、新しいモードで最大パラメーターのキャラクターの育成に成功したプレイヤーが登場し、こう言いました。 「数値ほど強くない」

この裏では開発者の葛藤がありました。既存の育成済みのキャラクターを全て過去のものにしてしまうのは、過去のプレイヤーの努力を否定するものになりかねないためです。

そこで頭を捻った開発者は、数値上は30%大きくなるが、実際の計算式では上限引き上げ部分については1/8しか影響を与えないようにした。 これによって、過去に育成したキャラクターとの差を小さくしようとしたのです。

しかし、これはプレイヤーに見破られ「30% 強く成長させたつもりだったけど、実際は 3.75% しか強くなっていなかった」と批判されます。

最終的に 1/8 という数値を 1/2 にすることで事態の収集をつけましたが、開発者再度も良かれと思ってインフレ抑制の計算式を導入したはずですが、それが裏目に出てしまったパターンです。

新モードがプレイヤーに与える印象は弱くなりますが、素直にパラメーターの上昇量を 30% ではなく、3.75% としていた方が良かったのかもしれません。