マスターデータの管理
用語の定義
用語 | 意味 |
---|---|
モデルマスター | マスターデータエディタが一時的に登録する ゲームプレイヤーごとに変わらないデータ |
モデル | ゲーム内から使用する ゲームプレイヤーごとに変わらないデータ |
プロパティ | モデルをもとに作成したゲームプレイヤーごとに異なるデータ |
ゲームを構成する要素には、所持アイテムのパラメータやクエストの構成データなど、 ゲームプレイヤーごとには変わらないデータがあります。 このようなデータをGS2では モデル と呼んでいます。 そして、モデルをもとにゲームプレイヤーの所持するデータになったものを プロパティ と呼んでいます。
一般的なマスターデータは GS2 においては モデル にあたり、GS2 においては モデルマスター という概念が存在します。 モデル モデルマスター の違いは、データの内容は同一ですが、実際にゲームからアクセスされる状態にあるかどうか、という違いがあります。
GS2 の管理画面上で編集できるデータは モデルマスター で、それを実際にゲーム内から使用できる状態に変換すると モデル に変わります。 この変換の工程が必要な理由は、 モデルマスター に対する変更を一括してゲーム内に反映するためです。 この工程がない場合、管理画面でデータを更新していく過程で、途中のデータがゲーム内に反映されてしまうことになります。
マスターデータの作成
この変換工程は、すべての モデルマスター を一旦 JSON 形式のファイルにエクスポートし、そのJSONファイルをアップロードすることで一括して モデル として反映する仕組みになっています。 GS2 の管理画面で モデルマスター を操作して JSON 形式のファイルにエクスポートして利用しても構いませんが、Excel や独自の管理ツールを作成し GS2 上に モデルマスター を一切登録せずに モデル にデータを反映することもできます。
また、GS2-Deploy のテンプレート内でマスターデータを管理することもできます。この場合 git などの バージョン管理ツール で取り扱いやすくなりますので、こちらも検討してみてください。
運営上都合の良い方法でマスターデータを管理してください。
GS2TemplateFormatVersion: "2019-05-01"
Description: GS2 master data template Version 2010-06-26
Globals:
Alias:
NamespaceName: inventory
Resources:
Namespace:
Type: GS2::Inventory::Namespace
Properties:
Name: ${NamespaceName}
NamespaceSettings:
Type: GS2::Inventory::CurrentItemModelMaster
Properties:
NamespaceName: ${NamespaceName}
Settings: # ここから下のデータが本来はJSONで指定する部分ですが、yaml として記述して反映できます
version: 2019-02-05
inventoryModels:
- name: item
metadata: ITEM
initialCapacity: 40
maxCapacity: 60
itemModels:
- name: item-0001
metadata: ITEM_0001
maxCount: 99
sortValue: 1
- name: item-0002
metadata: ITEM_0002
maxCount: 99
sortValue: 2
- name: item-0003
metadata: ITEM_0003
maxCount: 99
sortValue: 3
- name: character
metadata: CHARACTER
initialCapacity: 30
maxCapacity: 50
itemModels:
- name: character-0001
metadata: CHARACTER_0001
maxCount: 1
sortValue: 1
DependsOn:
- Namespace
マスターデータの固定化
プレイヤーがログイン中にマスターデータを更新した時に不整合を起こさないように、プレイヤーが使用するマスターデータをある日時時点の内容で固定化する仕組みが用意されています。
gs2 = await gs2.Distributor.Namespace(
"namespace-0001"
).Me(
_gameSession
).FreezeMasterDataAsync();
このように、GS2-Distributor の FreezeMasterData を呼び出すことで、このAPIを呼び出した時点でのマスターデータの内容で以降のAPIを処理することが可能です。 ただし、固定可能なのは24時間以内かつ各マイクロサービスのマスターデータで10世代前までの内容となります。 この制限を超えると最新のマスターデータを使用するようになります。
WebSocketSession の連続接続可能時間は2時間ですので、WebSocketSession の OnDisconnect が呼び出された時に再接続処理を行う際に再固定化することを推奨します。 再固定化するにあたって、マスターデータの更新がないかを GS2-Version などで確認し、更新がある場合はタイトル画面に戻すといった対応も検討してください。
Tip
GS2-Version でマスターデータの更新判定について推奨される実装
マスターデータバージョンをマスターデータ更新時点での YYYY.MMDD.HHMM 形式で VersionModel に warningVersion として登録します。 クライアントは WebSocketSession 再接続時にマスターデータの固定化時点での日時でバージョンチェックを実行します。 もし、警告に引っかかった場合はマスターデータの更新があるということになりますので、タイトルに戻るなどして整合性を保ちつつ現在時刻で再固定化し直すようにします。